こんにちは、物語音楽ユニットのEternal Operettaです。
ここでは、グリム童話より、「わらと炭とそらまめ」(KHM18)のあらすじと考察、感想までお話しています。
わらと炭とそらまめのあらすじ
どこやらの村に、貧乏なおばあさんがいました。
おばあさんはそら豆をぐつぐつ煮るつもりで、かまどに火をおこして、わらをひとつかみ、くべました。
そら豆をお鍋にあけるとき、滑り落ちたのが一つあって、それが土間へ落ちると、藁の隣へ転がって行きました。
それから、炭が一つはねて、二人のところに転がって行きました。
わらが、
「よう、二人とも、どこから来た?」
炭が、
「わたしはね、火の中から跳ね出してきたのさ。このままだと燃えて、灰になっちまうところだったのさ。」
そら豆が言うのは、
「あたくしもね、けがのないうちに逃げ出してきたの。
おばあさんに鍋の中に入れられたら、お友達とおんなじように、ぐつぐつ煮られて、どろどろになるところだったわ。」
するとわらが、
「いや、吾輩も同じような目に遭うところだった。吾輩の兄弟は、婆さんが一つ残らず火をつけて、煙にしちまった。
ばばあめ、一度に六十もひっつかんで、命を取っちまった。吾輩は、運よく指の間から滑り落ちたんだ。」
「だが、これからどうしたらいいんだ?」
そら豆が答えます。
「あたくしたちは、もう少しで死ぬところを、運よく逃れたのでしょ。
ですから、みんなで友達になって、一緒にどこかの国に出かけたらどう?
ここにいても、またひどい目にあうといけないし。」
こうして、三人で旅に出ました。
間もなく小さな川の岸に来ましたが、橋はないし丸太も横になってないので、どうやって渡ったらいいか途方にくれました。
そこでわらが、
「吾輩が横に寝転ぶことにしよう。そうすれば、橋を渡るように、吾輩の上を通れるよ。」
そう言うと、向こう岸にかけて、寝転びました。
炭はもともとせっかちでしたから、この橋をかけだしました。
しかし真ん中まで来て、足元に水が、ざあざあ流れてる音を聞くと、怖くなって立ち止まってしまいました。
ところが、ここでわらがぱっと燃え出してしまって、二つに切れてしまい、小川の中へ落ちてしまいました。
すると炭も一緒に落ちて、水へ入るとじゅうっといって、お陀仏になりました。
そらまめはこっちの岸でそれを見ていましたが、これを見ると、大笑いをし始めました。
ところがいくら笑っても笑が止まらず、笑いすぎて体がぱちーんと破裂しました。
この時、修行中の仕立て屋の職人がこの近くにいましたので、幸いなことにそらまめは助かりました。
もしこの職人がいなかったら、そらまめも、わらや炭と同じように寿命がなくなるところでした。
職人は情け深い人で、すぐに針と糸を取り出して、豆を縫い合わせました。
豆は、職人にお礼をのべました。
けれども、職人が黒糸を使ったので、それからというもの、そら豆は、真っ黒な縫い目があるのです。
わらと炭とそらまめの考察
それでは、ここからこの童話の考察に入ります。
この物語の登場人物は、わらと炭とそらまめで、この童話を読み進めていても、あまり意味のある進行が感じられません。
単純にこの三人が結束して、旅に出て、三人とも死んでしまったという内容です。
ですが最後に、そら豆が仕立て屋に縫ってもらって、助かった。
その時に黒い糸を使ったから、そら豆には黒い線が入っているのです。
という、その流れに持っていくことで、この童話全体に大きな意味を持たせています。
読み進めていても、その話の向かっているところが分からないのに、どこかのタイミングでいきなり分かるというのは、
読み手からするとかなり面白いところだと感じるものです。
そういうのを狙って、この童話は書かれたと考えられます。
また、小川の岸に着いた時、渡る方法を考えて、わらは横になって橋になりましたね。
わらを横にしただけで渡れる川だったので、普通に考えると、かなり小さい川だったはずです。
ところが、この三人にしてみれば、特にそら豆にとっては、大きな川に感じたのでしょう。
わらと炭とそらまめの感想
この童話は、感情移入できる部分が特にありませんでした。
なにせ登場人物がわら、炭、そらまめと全部消耗品だったので、無理もないかもしれませんね。
でも、童話の最後の部分で、そら豆はどれにも黒い縫い目があるんだよって、そういう風に持っていきたかったのか、と納得した話でした。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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というわけで、物語音楽ユニットのEternal Operettaのブログでした!
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