こんにちは、物語音楽ユニットのEternal Operettaです。
ここでは、グリム童話より「ものぐさ三人兄弟」(KHM151)のあらすじと考察、感想までお話しています。
ものぐさ三人兄弟のあらすじ
どこやらの王さまが、王子を三人持っていました。
この三人の王子を同じくらい可愛がっていたので、自分が亡くなった後、誰を王様にすればいいか悩んでいました。
いよいよ王様が死ぬときになったので、王様は三人を寝床に呼び寄せました。
「どうかの、わしは考えたことがあるのだが、それをお前たちに話してみよう。
それはな、お前たちのうち、一番ものぐさの怠け者が、わしの後をついで王様になるということだ。」
王様がこう言うと、一番目の王子が、
「それなら、王様になるのはわたくしでございます。
なにしろ、横になってこれから寝るときに、天井からしたたる雫が目に入ってきます。
そのとき、目を閉じればいいものを、その目をつぶるのが面倒くさいと感じるほどでございます。」
と言いました。続いて二番目の王子は、
「お父様、王様になるのはわたくしでございます。
なぜなら、わたくしは火にあたっていますとき、脚をひっこめるくらいなら、
かかとを火傷するほうがましだと思うほどでございます。」
と言いました。
この後に三番目の王子は、
「お父様、王様になるのはわたくしでございます。
なぜかというと、わたくしが絞首台で首を絞められることになったとします。
縄がわたくしの首に巻きついていて、そこに誰かが来て、よく切れる小刀を渡してくれて、
これで首の縄を切ってよいと言ってくれたとします。
わたくしは大のものぐさでございますから、そうなった時に自分で縄を切るくらいなら、
首を絞められた方がよっぽどましでございます。」
と言いました。
王様はこれを聞いて、
「お前が一番だ。お前を国王にいたしてやるぞ。」
と言いました。
ものぐさ三人兄弟の考察
それでは、ここからこの童話の考察に入ります。
この童話では、三人の王子が自分のものぐさぶりをアピールしましたが、
気になるのは、ここで言ったことは嘘なのか本当にものぐさなのか、ということです。
普通で考えれば、目を閉じるのが面倒だとか、脚をひっこめるくらいなら火傷をしたほうがマシだというのは、ありえないことです。
それに、一番の怠け者に認定されれば王様になれるという条件があります。
こう考えると、この三人の言ったことは嘘ではないかと仮説ができます。
ですが、やっぱり3人は本当にものぐさだと考えられる理由があります。
王様は、一番のものぐさを次の王様にすると言うくらい、ものぐさ具合を重要視しています。
ということは、王様もかなりものぐさで、怠け者だと考えられます。
そしてこの三人の王子は王様と血がつながっていて、王子たちは王様と似たような考えをする可能性が高いです。
さらにグリム童話では、常識では考えられないような考えを持った登場人物が、何人もいます。
よって、王子たちのものぐさは本物だと考えてよいです。
三番目の王子を次の王様に選んだ理由は、言うまでもなく三人の中で一番のものぐさで、
三人の話の中でも、そのものぐさによって死ぬという一番大変なことになるからですね。
ものぐさ三人兄弟の感想
この童話はかなり短かったのですが、思わずクスッと笑ってしまうような内容でした。
普通は一番の働き者を次の王様に選びそうですが、その逆をいくっていうのは面白いですよね。
そして、本当に小さなことでもやりたくない、それをやるなら大きな痛みを伴ったほうがマシだ、
というくらい、怠け者を貫けるのはある意味すごいなと感じました。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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というわけで、物語音楽ユニットのEternal Operettaのブログでした!
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