こんにちは、物語音楽ユニットのEternal Operettaです。
ここでは、イギリス民話より、「三匹の子豚」のあらすじと考察、感想までお話しています。
三匹の子豚のあらすじ
むかしむかし、豚が詩を歌い、猿たちも噛みタバコをかみ、めんどりも嗅ぎタバコを嗅いで、
アヒルがグワワとやっていた昔のこと。
一匹の豚のおばさんが三匹の子豚をかかえていましたが、やがて食べ物が少なくなってきました。
そこで、世の中へ出て自分で幸せになりな、と三匹とも家から出してしまいました。
最初に家を出た子豚は、親切な人から藁をもらい、藁の家を作りました。
するとすぐに狼が来て戸を叩いて、
「子豚や、わたしを家に入れておくれ。」
子豚は、
「やだよ、入れないよ。」
すると狼は、
「それならこんな家、フーのプーのブーで吹っ飛ばしてやる。」
そう言うと狼は、フーのプーのブーで家を吹き飛ばし、子豚をペロリと食べてしまいました。
二番目に出かけた子豚は、親切な人からハリエニシダ(木の枝)をもらい、ハリエニシダの家を建てました。
すると狼がやって来て、
「子豚や、わたしを家に入れてくれ。」
子豚は、
「やだよ、入れないよ。」
狼は、
「それならこんな家、フーのプーのブーで吹っ飛ばしてやる。」
そう言って、フーのプーのブー、もう一つフーのプーのブーでハリエニシダの家を吹き飛ばし、子豚をペロリと食べてしまいました。
三番目に家を出た子豚は、親切な人からレンガをもらい、それでレンガの家を建てました。
すると間もなく、やっぱり狼がやってきて、
「子豚や、わたしを家に入れてくれ。」
子豚は、
「やだよ、入れないよ。」
狼は、
「それならこんな家、フーのプーのブーで吹っ飛ばしてやる。」
そしてフーのプーのブー、もう一つフーのプーのブー、さらにもう一つフーのプーのブーをやりましたが、
どうやっても家を吹き飛ばすことはできませんでした。
レンガの家を吹き飛ばせないことが分かると、狼は、
「子豚くん、おれはうまいかぶらの畑のある場所を知ってるんだ。」
子豚は、
「それはどこにあるの?」
「スミスさんのところの畑だ。明日の朝、おれが迎えに来るから、六時に一緒に取に行こう。」
「いいよ、待ってるよ。」
次の朝、子豚は朝の五時に起きて、狼が来る前にかぶらを取ってきました。
狼がやってきて、
「子豚くん、したくはできたかね?」
「うん、もう畑に行って、取って帰ってきたところさ。」
これを聞くと狼はひどく腹を立て、いずれ仕返しをしてやろうと思いました。
そして、
「子豚くん、おれはうまいリンゴの木の場所を知ってるんだ。」
「それはどこにあるの?」
「メリー農場だよ。お前が騙したりしなきゃ、明日五時に迎えに来るよ。」
次の朝、子豚は狼が来る前に帰っていようと、四時に起きて、リンゴを取りに出かけました。
しかしリンゴの木はかぶら畑より遠く、木に登らなければ取れないため、時間がかかってしまいました。
リンゴを取って木から降りようとした時、狼がやって来るのが見えて、恐ろしくなりました。
狼が木の下に来ると、
「子豚くん、おれより先に来ていたのか。ここのリンゴはうまいか?」
「うん、それはもうね。一つ投げてあげよう。」
子豚はそう言って、遠くまでリンゴを投げたので、狼が拾いに行っている間に、子豚は飛び降り、家に走って行きました。
次の日も狼はやってきて、子豚に、
「子豚くん、今日はシャンクリンの町で市があるんだ。行かないかい?」
「うん、行くとも。何時がいい?」
「三時だな。」
子豚はまた早めに出かけて市に行くと、バターを作るための桶を買い、
帰ろうとしたところで狼がやって来るのが見えました。
そこで子豚は桶の中に入り、そのままゴロゴロと丘を転がりました。
それを見た狼はびっくりして、市へも行かず逃げ帰りました。
狼は子豚の家に行って、丸いでかいものが丘を転がっていて、肝をつぶした話をしました。
それを聞くと子豚は、
「ははは、ということは僕を見て怖がったんだ。市へ行って桶を買ったんだけど、
君の姿が見えたから中に入って、丘を転がったのさ。」
ついに狼はかんかんに怒って、
「どうあがいたってお前を食ってやる、煙突から入ってやる!」
子豚は、狼のたくらみが分かると、水をいっぱい入れた大なべに火をかけ、どんどん火を燃やしました。
そしてちょうど狼が煙突の上から降りてきた時にふたを取ったので、狼は鍋の中にすっぽり。
子豚はすぐに蓋をし、ぐつぐつと狼をゆで上げ、晩ごはんに食べてしまい、それから幸せに暮らしました。
三匹の子豚の考察
それではここから、この童話の考察に入ります。
この童話の教訓としては、「弱い者でも、知恵によって強いものを倒すことができる」
ということが考えられます。
三番目の子豚は、他の二匹と違って、丈夫なレンガの家を建てることで壊されませんでした。
かぶらを取りに行く時もあざむきました。
リンゴを取りに行った時も、一時は大変でしたがリンゴを遠くへ投げたことにより、危機を回避しています。
そして市に行った時は、狼を逆に脅かすことにまで成功しています。
そして最後は、狼が煙突から入ってきたところをやっつけてしまいました。
ただ注意したいところは、狼も知恵を働かせていたということです。
かぶらを取りに行く時は、約束をして出てきたところを食べようと考えました。
かぶらの約束は六時に設定し、出し抜かれたとなると、リンゴを取りに行くのは五時と、時間を早めました。
これは、時間を早めれば子豚は出し抜けないだろうという考えが見えます。
しかしまた出し抜かれ、市に行くときはさらに一時間早い四時にするかと思えば、三時でした。
これは、四時に待ち合わせにしてもどうせ出し抜かれるから、三時にしたのだという狼の知恵が見られます。
ところがそれも出し抜かれてしまい、最後には煙突から忍び込めばいいという知恵が出てきました。
でも、全てにおいて子豚のほうが知恵が勝っていました。
なので、力はあってもやっぱり、知恵があるほうが勝つんですね。
現代社会でも、仕事や恋愛において、知恵によって未来を切り拓けることは多いです。
あと、この童話は子豚が三匹いました。
そして、三番目の子豚だけが上手くいきました。
他の童話でも、一番目、二番目が失敗したのに、三番目が成功するパターンは多いです。
(例えば黄金の鳥、ものぐさ三人兄弟など)
三匹の子豚の感想
この童話は、僕が小さい頃、子供向けのアニメビデオで知りました。
その時に思っていたのは、よく狼の息だけで藁や木の家を吹き飛ばせるよなってことでした。
子供ながらに、現実ではあり得ないことについて考えていましたね。
あと、この童話で一番面白いところは、子豚が桶に入って転がって、狼がびっくりするところでした。
狼が子豚に脅かされてビビっているだなんて、ちょっと笑えますよね。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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というわけで、物語音楽ユニットのEternal Operettaのブログでした!
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